休符(フェルマータなし)

先週に引き続き、今週もエッセイはお休みします。
あれこれ書きたいことはあるけれど。



遠くにいくことだけが旅ではない。
言葉の通じない遠い国に足を運んだり、
電車に長時間揺られたり、飛行機で何千キロも離れることだけが、
旅ではないのです。


曲がらなかったあの街角の向こう側や、
隣にいるひとの見栄や虚勢、強がり、
聞こえた夏の裏側でひっそりとしていた静寂にも、
わたしが知らなかったことばかりが詰まっている。


旅は日常のひずみに隠れている。
なんだか変だなあ、と思ったときに、出発するのがいいみたい。
旅に出るのは思っているよりもずっと、お金もかからないけれど、
時間と気力はかかるので、旅から帰ってこれないでいます。


でも、いま
近くて遠いところで、東西南北を
じっくりと、ゆっくりと、確かめています