おばんです。月曜担当の小川です。
ちらちらと小雪の舞う今夜は、
先月の友部正人さんライブの脳内メモを、
そのまま載っけてみようと思います。



2月19日
会場は、秋田市のまど枠さん。


お客さんは20名くらい。なんとも贅沢なライブ。
手を伸ばせば、ギターや譜面にぶつかってしまう距離に友部さんがいる。
友部さんが着てたシャツのボタンは、ホルンとト音記号の形。めんこい。
そんなちいちゃいところまで見えちゃうくらい近かった。
とくとく、どきどき、ばくばくばく、
息を吸うのを忘れてしまいそう。
ゆっくりと時間が流れるちいさな本屋さんで、心拍数ばかりが上がってゆく夜でした。


◎セットリスト
 前半
 ニレはELM/僕は君を探しに来たんだ/はじめ僕はひとりだった/大道芸人
 歌う人/雨の降る日には/地獄のレストラン/反復/speak Japanese American
 老人の時間 若者の時間



 後半
 アクシデンタル・ツーリスト/どうして旅に出なかったんだ/友部さんの絵本(この3つは朗読)
 大阪へやってきた/遠来/朝は詩人/一本道/地球のいちばんはげた場所/(お客様は卵…という曲)



 全部は思い出せないけれど、計21曲。
 「大阪へやってきた」はお客さんからのリクエストに応えて歌ってくれた。
  聞いた後は、きっとみんな体温1℃くらい上がってたはず。


 ライブも終わりに近づいてきたとき、
 「もう一曲だけ聞けるとしたら、朝は詩人が聞きたい」と、
 欲張りだと分かっていながら強く思っていたら、“じゃ、もう一曲”と友部さんが、ぽつり。
 それで弾いてくれたのがなんと、「朝は詩人」。
 伝わってしまう距離だったのか、友部さんが汲んでくれたのか。どっちかな。
 願ってみるものですね。
 とびっきり素敵な出来事は、思い出すだけで胸がきゅうっとする。


 ライブの後、目の前にいる友部さんに、
 「あの、もう一曲だけ聞けるとしたら、『朝は詩人』が聞きたいって思ったんです。
  そう思ったときに友部さんが弾いてくれて、本当に驚いて」と正直に言ってみた。
 友部さんはいつもどおり澄んだ目をしながら私を見て、
 「こんなに近い距離だから、伝わったのかな」、だって。



◎そのほかに覚えているもの
 ハーモニカ6本、C・D・F・G・A・H管。
 ミネラルウォーターと外国製のミント。
 会場には強めのライトと、漂う日本酒の香り。
 友部さんの後ろにあった本は、チャルカと綿の本。


 2月19日の視覚に頼らずとも覚えているのは、声。
 いつでも自分の中で再生可能です。
 少年みたいだけど、すこしかすれていて、ちょっと籠っている。
 そんで、大切なことを大切なまま伝えてくれる、そんな声してる。






先月のことを思い出しては、
また秋田でライブを、と強く願ってみる私です。
欲張りだけれど、きっと叶うなあ。



せば、今日はこの辺で。