雨雲の唄

  ざざざ ざ  ざざざ


○降るんしな
●んだんしな
○あっこ暗えがら そんま大雨になるべども
●あや 困ったんしごど


  ざざざざ ざざざ
  ぴか  ごろろ


●あや 近ぐさ落ぢだんしな 雷やんたくてんしよ
○こったごど言えば ぶじょほだども 
 雷ぴかっとせば ないだがおもしぇくて
 もっと見でなど思ってしまうんし
●んだんしぎゃ? おらな おっかねくて だめだんし


  ざざざざ ごろろ ざざざ ざざ


降るんしな んだんしな
降るんしなあ、んだんしなあ



雨が止むまで誰かと一緒にいて、
ただ意味もなく「降りますね」「そうですね」という会話をするのが好きです。
雨音を聞く相手は、一緒に仕事をする上司だったり、
取り込んだ洗濯物を一緒に畳む母であったり、
一緒にタオルケットにくるまる好きなひとであったりするかもしれない。
外が大荒れのときには、あたたかな、あるいは甘いひとときを過ごせるかもしれない。
ひどい悪天候でも、雨に濡れることなく、
ひとと一緒にいられる安心感というのはおおきいものです。


とはいえども、山裾からすうっと雲が上がっていき、
空が少しずつ明るくなってゆくのはやっぱり嬉しいな。


ざざざざ ざざざ  
せば、まんづ。




※私のふるさとの言葉で書きました。
 以下、訳です。
・あっこ     あそこ
・そんま     すぐに
・あや      あら
・やんたくて   嫌で
・ぶじょほ    失礼
・ないだが    なんか
・おもしぇくて  面白くて
・見でな     見たいな
・んだんしぎゃ  そうですか(丁寧語)
・おら      わたし
・おっかねくて  こわくて
語尾に付く、〜だんし、も丁寧な言い方です。