ジャム

ジャムは贅沢品だ。
貧乏な時には買えない。
僕の中で優先すべきもの、それは主役のパンと料理にも使えるバターだ。
ジャムを食べたい欲求は、ジャムが冷蔵庫からなくなって意外とすぐやってくる。
いなくても平気だと思っていたのに。
ジャムと呼ばれるものはいろいろある。
ゼリーのようで果物の姿はまったく無い甘くて安いジャムもあるし、
まだ果物の形がごろごろと残った値段が高いジャムもある。
ジャムを食べたい欲求が強くても悲しいかなお金がない時、
だいたい両者どちらにもつかない中途半端な値段のジャムを買ってしまう。
しかしこれがかなりがっかりする事になる。
安いゼリーのようなジャムをこれでもかとパンにのせて大口で食べる。(そのときはバターもどっさりのせる)
果物感が残るジャムを味わいながらゆっくりたべる。
そんな、それぞれの楽しみ方がどちらも出来ない状態になる。
どちらにもなっていないジャムは潔さに欠け、パンを楽しむ時間さえも曖昧なものにして奪ってしまう。
潔さに欠けたものは魅力的には見えない。


と言ってみたが、
そのジャムを買った僕に潔さが足りなかったと今気づいた。