つながった瞬間

この間、若生さんと多賀城をとことこしていた時に、

若生さんが「あ、金木犀だ」と言ったんです。

私は植物の名前と見た目を一致させて覚えられず、

ぽかんとしてしまいました。

でも多賀城のおいしいパンのことで頭が占領されていたので、

特に「どれのことですか?」と聞き返さなかったんです。

その翌々日、出勤途中で、なんだかいい香りがしたんです。

たまに感じる香りで、甘くて、黄桃?アプリコット?のようで、

すれ違った人の香水かな?なんて思っていました。

そのとき、オレンジ色の小さい花のようなものがいっぱい咲いた

木を見つけたんです。

そこでやっと「あ、これが金木犀か」と気づきました。

見た目と、名前と、香りがつながった瞬間。

もちろん毎日通る道だから前からあったのでしょうけど、

一度つながると鼻が敏感になったようで、

歩きながら「金木犀の香りがするぞ…。あ、そこにあった」って

分かるようになりました。意外といっぱいあるもんですね。


それまで自分の中で別々だったものたちがつながる瞬間は

とても大きな感動を与えてくれます。

一昨年の春、沈丁花の名前と香りがつながったときも

なかなかの衝撃でした。


これからもたまーにこんなことがあるんだろうな。

花の名前をいっぱい覚えているような女性になりたひ。


ではらいもく。