甘い雨

仙台からこんばんは。
だいぶご無沙汰してしまってごめんなさい。
いつの間にやらすっかり夏ですね。
ちょっと前まで薄手のコートはおって出かけてたような気がするのに
光陰矢の如し。少年老い易く学成り難し。
年を重ねるにつれ、年月が加速しているような気がします。
いやだわー。

今日の仙台は雨でした。
雨の中を歩くと、くちなしのにおいがします。
この季節の雨には、すでにくちなしが含まれているのか
くちなしが雨に溶けるのか

くちなし、ご存知でしょうか
デコレーションケーキの上に咲いてる生クリームの花のような
真っ白で甘い香りのする花。
通り道の公園に大きなくちなしの木があって
顔を近づけて、くんくん
鼻がくっつきそうなくらいに、くちなしにくちづけするように
すぅー、大きく息を吸い込んで
胸いっぱいにくちなしのかおりをためこんで

くちなしの甘い香り、大好きです。
ほんとうの生クリームよりおいしそうな気がするのです。
ふんわり軽い、甘すぎない、舌の上でほわーと溶けてしまう
指でそっとすくって、ぺろり、なめたい
もしくは、ぱくり、ひとくちで食べてしまいたい
そんな気がするのです。

もうひとつ、食べてしまいたい花があって
近くのマンションの影にひっそり寄りかかるようにたっている椿
白とピンクのマーブルが苺ミルクのようで
これもきっとおいしいに違いない

夏のはじまりにひらく色の中でいちばん好きなのが、くちなし
夏の盛りなら、のうぜんかずらがいちばん好きです。
芥川龍之介の『偸盗』という小説の中に出てきます
もっと暑くなったら、お話しますので聞いてください。

ではではまた来水。